インタビュー

物流倉庫からステージの裏側へ。DJHAKK水田幸佑が届けたい「人間味のある音楽」

更新: 2026年9月30日
物流倉庫からステージの裏側へ。DJHAKK水田幸佑が届けたい「人間味のある音楽」
PROFILE
DJHAKK 代表
水田 幸佑

物流の現場から、音楽の道へ

いつか創業したいとずっと思っていた

創業しようと思ったきっかけは、正直ジャンルへのこだわりではありませんでした。いつか自分で事業をやりたいという気持ちは、昔からずっと持っていたんです。だから「このジャンルじゃないとダメ」ということはなく、何の分野でもいいから創業しようと思っていました。

ブルーカラーの現場で働いていた

創業する前は、ずっとサラリーマンをしていました。それも物流関係の仕事で、倉庫作業やコンテナからの荷下ろしなど、いわゆるブルーカラーの現場仕事です。体力を使う仕事だったので、そのきつさはよくわかっています。

音楽はずっと近くにあった

音楽自体は10代の頃からずっと関わってきました。仲間内で音楽をつくる、いわゆる「自称DJ」みたいな存在が周りにいると思うのですが、まさにそういう感じで音楽と付き合ってきたんです。趣味として最後までずっと続けていたので、それなら仕事にしようと決めました。

DJHAKKで手がけていること

オーディションから楽曲制作、配信まで一貫して

事業内容としては、オーディションを実施して、楽曲制作をおこなう音楽プロダクションです。楽曲をつくったらレコーディング、マスタリングをして、ボイストレーニングやSNSのコーチングもおこないます。そのうえで、Apple MusicやSpotifyといった各プラットフォームに配信し、必要であればミュージックビデオも撮影します。最終的にはアニメやドラマのエンディングテーマに起用されることを狙う、というプロジェクトです。

幅広いジャンルに対応できる強み

もともと私自身がブラックミュージックと呼ばれる音楽が好きだったので、そこを軸にいろいろなジャンルに対応できるようになってきました。今ではポップスも問題なく手がけられる体制になっています。レゲエをやっているアーティストもいれば、DJをしているアーティストもいて、幅広いジャンルに対応できるのが強みだと思っています。

少人数だからこそ回せる体制

業務委託50名とコアメンバー4名

現在は、集客やスカウトを担当してくれる業務委託のスタッフが50名ほどいます。会社の内部としては4名ほどという、決して大きくはない体制です。所属しているアーティストは社員や業務委託ではなく、それぞれのプロジェクトに参加してもらうという形をとっています。メンバーは、その業界にいる知り合いや、音楽をつくれる人たちとチームを組んでいる形です。

苦労してきたこと

現場仕事とデスクワーク、それぞれのきつさ

苦労してきたことで言うと、まず物流の現場の仕事自体が体力的にきつかったです。そこからデスクワーク中心の仕事に変わったのですが、デスクワークはデスクワークで、身体的な疲れとは違う苦労がありました。スケジュール管理やリスケジュールといった細かい調整で、お客さまからご指摘をいただくこともあり、そういうところで苦労するのだと実感しました。

アプリ開発の失敗から見えた課題

以前、独学でアプリ開発にも挑戦していた時期がありました。プログラミングのスクールにも少し通っていたのですが、独学の部分が大きかったです。結果としてはうまくいかなかったのですが、そこで見えてきた課題もあり、今につながっている部分があります。

これから描いていきたいこと

AIが台頭する時代に、人間味を育てたい

音楽業界では今、AIによるボーカルなども出てきていて、良くも悪くも目立つ存在になっています。ボーカルというのは、気持ちや感情を表現できるクリエイティブな部分だと思っているので、そこにある人間味をしっかり育てていきたいですし、良いものをつくっていきたいと考えています。これは会社としての課題というより、アーティスト自身がこれから人間臭さをどう表現していくか、という課題だと捉えています。

一つずつ着実に増やしていく

エンタメの事業なので、売上そのものを最優先にしているわけではありません。ただ、音楽プロデュースの会社として、次はこれをやって、その次はライブにも広げていく、というように、やるべきことを一つずつ積み重ねていく必要はあります。そこは労力を惜しまずに、地道に増やしていく段階だと思っています。

学生へのメッセージ

好きなことは、仕事にも遊びにも

学生の皆さんには、できるだけ好きなことをやってほしいと伝えたいです。それは仕事だけに限らず、遊びについても同じです。

若いうちに遊んでおいたほうがいい

大人になると仕事ばかりになってしまって、遊ぶことがなくなっていく人が多いと思います。休みの日に何をして遊ぼうか、迷うことはないでしょうか。だからこそ、遊びは基本的に若いうちにやっておいたほうがいいと思っています。そうしないと、気づいたときには仕事だけの毎日になってしまいますから。

編集後記

物流倉庫の現場でブルーカラーとして働きながら、10代の頃からの音楽への思いを絶やさずに事務所を立ち上げた水田さんのお話は、好きなことを続ける力の大切さを教えてくれました。AIボーカルが広がる時代だからこそ「人間味」を大事にしたいという言葉が、とても印象的でした。好きなことを仕事にも遊びにも取り入れる姿勢、私自身も見習いたいと思います。