MAとの出会いが独立の転機に
「これならいける」と感じた
起業の背景は、それほどドラマチックな話ではないんですよね。世の中には「社長」と呼ばれる人がたくさんいるじゃないですか。それを見ていて、単純に「自分でもいけるだろう」と思っていました。小さいころから社長に憧れていたとか、そういうタイプでもありませんでしたね。
独立の転機になったのは、まだ「MA(マーケティングオートメーション)」という言葉が、世の中に出てくるか出てこないかのタイミングで、知り合いから「これ、いいらしいよ」と教えてもらったことです。
それを聞いて「これならいけるじゃないか」という感覚があり、独立を決めました。また、かねてから「本当にお客さんのためになることをしたい」という想いがあったことも、起業を決意したきっかけのひとつです。
実際、社名の「シーサイド」の「C」は、クライアント(Client)とカスタマー(Customer)の頭文字から取っており、お客様に寄り添うという思いを込めています。
大手品質を中小価格で届けられるのが強み
強みは小回りの良さ
弊社の事業は、主にCX(顧客体験)領域におけるコンサルティングと運用代行です。MAの導入・運用代行を軸に、SFA/CRMの設定・運用コンサル、インサイドセールスの支援なども手がけています。
特に弊社ならではの強みは、「大手品質を中小価格で」というところです。小回りが利くのが特徴で、クライアントの規模や予算に応じて、柔軟にパッケージを組めます。ここは創業当初から、こだわっているポイントです。
我々がやっている仕事自体は、大手さんもみんなやっています。ですが、大手企業と同水準の支援品質を、中小企業でも導入しやすい価格帯で提供できる会社は多くありません。
とはいえ、実際のお取引先は大手さんが中心になってしまっているので、今後は中小企業さんの力にもなっていきたいと思っています。
知り合いゼロから積み上げた1年目
契約ゼロで迎えた東京生活
創業から今に至るまでで一番苦しかったのは、やはり最初の1年です。地方を拠点にしながら、平日は東京に出て仕事をするスタイルで事業を始めたのですが、東京に仕事仲間やお客さんがいたわけではありませんでした。知り合いゼロからのスタートです。
しかも、当時は東京でもまだ「MAって何?」と聞かれることが多く、地方ではさらに認知が低い状態でした。顧客開拓には本当に苦労しましたし、顧客も売上もゼロの状態で資金がどんどん減っていったときは、「もうこれで終わりなのか」と不安になったこともあります。
ただ、そこから契約が決まっていって、何とか軌道に乗せることができました。振り返ると、怖い思いをしないためにも、きちんとリスクヘッジをしながら進むことの大切さを学びましたね。
AIとともに、関わる人をもっと増やす
現状の課題はやはり人の問題
現在は大手企業を中心にマーケティングや営業領域の支援を行う一方で、そこで蓄積したノウハウをAIプロダクトとして、展開する取り組みも進めています。
これまで人が行ってきたマーケティング業務や、弊社が蓄積してきたノウハウ自体をAI化し、自社プロダクトとして提供していく取り組みです。AIを活用することで、もっと多くの人が、この仕事に関わっていける状態をつくっていきたいと考えています。
また、成果創出のお手伝いができるクライアントを増やすのに加えて、マーケターを増やすことも、長期的な目標の一つです。
国内マーケットの縮小が進むなかで、人手不足の解消や海外事業の重要性が増しています。そこで、プロダクトやサービスの現場からエンドユーザーまで、一気通貫で関われるマーケターがいれば、解決できる部分は多いと思っています。
特に日本の中小企業には、そうしたマーケターがもっと必要だと感じていますね。そのビジョンを実現していく上で、さまざまな課題があるのですが、やはり現状は人の問題です。リソースとノウハウの部分が重要だと考えています。
そのため、現在は社員や外部パートナーを含め約20名の体制で事業を進めています。今後さらに増やしていく予定です。
まずは動いてみることから始まる
行動あるのみ
キャリアに悩んでいる学生さんや、やりたいことが見つからずに、不安を感じている方も多いと思います。個別にじっくり話したい気持ちもありますが、ひとことで伝えるなら、まずは行動することです。行動しないまま、迷っているだけの人が多いような気がしています。
動き方が分からない場合は、何が分からないのかを、自分自身に聞いてみるところから始めればいいと思います。分からないなりに動いてみる。それで十分です。とにかく動きまくってください。
編集後記
今回、株式会社シーサイド代表の永井孝様にお話をうかがいました。MAという当時まだ珍しかったツールに「これならいける」という確信を持てたことが、独立への一歩になったというお話がとても印象的でした。
知り合いゼロの東京で事業を軌道に乗せていく過程は、私自身が就職活動やキャリアを考える上でも励みになります。
また、大手品質を中小企業の価格で届けるという発想や、AIを活用しながら関わる人を増やしていくというビジョンからは、常にお客さまや社会の変化に向き合い続ける姿勢を感じました。
「まずは行動する」という永井様の言葉を胸に、私自身も一つひとつの学びに取り組んでいきたいと思います。貴重なお話をありがとうございました。