インタビュー

「伸びしろ」を見つけて、届けるまで

「伸びしろ」を見つけて、届けるまで
PROFILE
株式会社Piic Founder / CEO
藤井 直哉

採用とクリエイティブで、伸びしろを引き出す

「伸びしろを、カタチに。」に込めた想い

私たちは「伸びしろを、カタチに。」というタグラインを掲げています。組織のなかには、本人たちでさえ気づいていない伸びしろが必ずある。私たちはそう信じていて、それを引き出して形にすることに向き合っています。

具体的には、お客さまとの対話やリサーチからその伸びしろを見出し、ありたい姿へと近づけていくことです。ウェブサイトやロゴ、商品パッケージといったクリエイティブとして形にすることもあれば、その企業に必要な仲間と出会うための採用の設計として形にすることもあります。作って納品して終わりではなく、その先の成長や成功まで一気通貫でご支援する。目指した場所まで一緒にたどり着きたいという思いを、この一つの言葉に込めています。

事業を動かす最大のエネルギーは「人」

今年の4月に自社のリブランディングをおこないました。これまではデザインを軸にしたクリエイティブ事業を中心にやってきましたが、そこに採用支援事業を加え、2本の事業を並行して展開する形になりました。

きっかけは、クリエイティブの支援をするなかで、人や組織にまつわる困りごとを数多く目にしてきたことです。どれほど優れた戦略や技術も、それを動かす人が揃って初めて価値を発揮します。事業を動かす最大のエネルギーは、やはり「人」なんですよね。お客さまの事業成長にこれまで以上にコミットしようとしたときに、組織の課題に対してもっと包括的にご支援できる状態をつくる必要がある。そう考えて、採用という領域に本気で向き合うことにしました。

リクルートは「再び成長する」こと

私たちは、自分たちを「リクルートプロデュースカンパニー」と定義しています。企業の意志や本質的な魅力を可視化し、クリエイティブの力で伝え、理想の仲間と出会うまでを一貫してプロデュースする。その出会いが、企業が本来持っている伸びしろを解き放っていく。まだ始めたばかりですが、その可能性を確かに感じています。

「リクルート」という言葉は、ラテン語で「再び成長する」という意味を持つ言葉が語源だそうです。単に人を採ることだけを指すのではなく、事業の成長そのものに向き合うという意味も込めて、この言葉を掲げています。

ワンストップだからこそ生まれる強み

つないだときにはじめて動き出す

採用、ブランディング、クリエイティブ。私たちは、この三つは切り離せないものだと考えています。

どれだけ採用広告を出しても、その企業が何を大切にしているのかが言葉になっていなければ求職者には届きません。逆に、素晴らしいブランドをつくっても、それを一緒に体現してくれる仲間がいなければ形になりません。それぞれを別のプロジェクトとして分断して進めると、せっかく整理した企業の価値が採用の現場では使われないまま終わってしまうということが起こります。このすべての領域をつなぎ、戦略から実装までを一貫して設計できるところに私たちのユニークさがあると考えています。

ひとつのチームで最後まで

具体的には、採用の領域では求人広告・ダイレクトリクルーティングの運用、RPO(採用代行)、SNS採用、採用ブランディング。クリエイティブの領域ではブランド戦略やビジネスコンセプトの設計、ビジュアルアイデンティティ、BtoB・BtoC向けの制作、PRやプロモーションの支援などをご提供しています。これらを別々のサービスとしてではなく、ひとつのチームでお引き受けしているのが今の形です。

大切にしているのは、どちらも「作って終わり」「人数が揃って終わり」にしないことです。採用であれば、何人採れたかではなく、事業を動かす人と出会えたかどうか。クリエイティブであれば、価値を見出し分かち合える形にすることで、事業を前に進められたかどうか。だからこそ受発注の枠を超えて、ひとつのチームとして関わらせていただいています。

会社らしくなっていく、今のフェーズ

仲間が増えて見えてきたこと

事業規模が拡大するにつれて、新しいメンバーも増えてきました。これまでは私を含め少人数でやってきた会社でしたが、拠点も増え、人数も増え、いい意味で会社らしくなってきているフェーズだと感じています。

これまでは阿吽の呼吸でできていたことも、一定の基準やルールを少しずつ決め事として増やしていく必要が出てきました。どんな基準を設けるべきか、正直まだ手探りの部分もあります。とはいえ、大事にしているビジョンや思いの純度、熱量を落とさずに、組織のなかできちんと伝播させていくこと。それをどう仕組み化していくかが、今のわかりやすい課題のひとつです。

伝わるまでの距離

事業のほうに目を向けると、この取材のなかで説明していても感じたのですが、まだ伝わりづらい部分があると思っています。採用だけであれば分かりやすいですし、クリエイティブだけでも分かりやすい。ただ、その掛け算ということになると、私たちがやろうとしていることが相手にきちんと届いているかどうか、まだ手応えを掴みきれていないところです。

今はまさに、このリクルートプロデュースという包括的な支援を、もっと分かりやすくお客さまにお届けするためのサービス設計を進めているところです。中身に対する手応えはあるので、あとはそれをどう伝えていくか。組織の課題と事業の課題。どちらもまだこれからです。ただ、自分たちの伸びしろもきっとここにあるのだと思っています。

会社が変わることで、街が変わる

滋賀から挑戦する企業を

ここまで事業の話をしてきましたが、そもそもの出発点は、私が生まれ育った滋賀を誰もが誇れる街にしたいという想いです。

コーポレートサイトには「人が変われば、企業が変わる。企業が変われば、街が変わる。」というメッセージを掲げています。これは理念であると同時に、私たちの事業の順序そのものでもあります。自分たちが滋賀を盛り上げるだけでなく、支援させていただく企業さま、特に滋賀の企業さまが素敵な仲間と出会い、魅力的になっていけば、それは巡り巡って滋賀が盛り上がることにつながっていく。採用という領域に踏み込んだのも、この順序をたどった先にあることだと考えています。

採用とクリエイティブの力で企業の成長に向き合い、滋賀から全国、そして世界へと挑戦する企業を生み出していきたいと思っています。

編集後記

今回は株式会社Piicの藤井さんに、代表というお立場から事業についてうかがいました。「伸びしろ」という言葉に込められた考え方や、採用とクリエイティブを掛け合わせる発想がとても印象的でした。組織が拡大するなかで思いの純度を落とさずに伝えていくという課題は、学生団体を運営する私自身にも重なる部分があり、深く共感しました。滋賀への思いが採用支援という形に結びついていく流れも、興味深かったです。貴重なお話をありがとうございました。