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「いいお店が残れば、町も文化も変わる」——地域への恩返しが、店舗集客支援の原点

更新: 2026年7月9日
PROFILE
株式会社U-AND 代表取締役
安東 早哉香

福祉から起業へ。遠回りに見えた道が、今につながっている

社長になるつもりはなかった

学生時代、社長になりたいという気持ちはまったくありませんでした。母も姉も福祉業界の人間で。それが当たり前の景色だったので、自然と「誰かの役に立てる仕事として福祉を選ぼう」という気持ちになりましたね。

シャッター街を見て育った

出身は大分県の豊後高田(ぶんごたかだ)という、昭和の町並みが観光スポットになっているような田舎の町です。ただそこは、人口がどんどん減っていく地域でもあって。高校生のころにはもうそのことに気づいていて、「ふるさとがなくなってしまうのは嫌だな」「いつか何か恩返しがしたいな」とは思っていました。

でも当時は福祉の仕事をしながら、そっちの地域再生や店舗支援みたいなものに携わりたいという思いを、心のどこかで温めているような状態でした。

「まず実績をつくれ」の一言

そんな思いをある経営者の方に打ち明けたら、「今の状態では信用がないから、まず実績をつくった方がいい」と言われたんです。それで、住んでいた福岡のお出かけスポット、今でいうデートスポットを紹介するメディアをインスタグラムや TikTok、YouTube で立ち上げました。現在は複数アカウントを合わせると 13 万人以上のフォロワーがいます。

フォロワーが増えると、飲食店や宿泊施設から「うちをプロモーションしてほしい」という依頼が届くようになって。最初は、インフルエンサーとして PR をはじめました。

ただ、インフルエンサーPRはどうしても一過性のものなんですよね。あくまで広告の一つなので、その瞬間は集客につながっても、継続的な集客の仕組みになるとは限りません。

だからこそ、「そのお店自身のアカウントで集客できる仕組みを作りたい」と思うようになり、現在の「店舗集客プロ」というサービスを立ち上げました。

「認知→来店→リピート」を一気通貫で設計する

3 つを束ねる理由

弊社のサービスの核は、Instagram・Google マップ(MEO)・公式 LINEの3つを、広告を使わずオーガニックで一気通貫に運用代行するというものです。

MEOだけ、Instagramだけといった単体の支援をするサービスは多い印象ですが、それぞれ役割が異なります。

Instagramは「認知を広げる」ための施策。Googleマップ(MEO)は「見つけてもらい、数ある店舗の中から選んでいただく」ための施策。そして、来店してくださったお客様に「また来てもらう」ための施策が公式LINEです。

この流れが設計されていないと、せっかく認知を獲得し来店につながっても、一度きりで終わってしまうことがあります。だからこそ私たちは、認知から比較・来店、そしてリピートまでを一つの導線として捉え、3つを束ねて支援しています

数値改善がなければ全額返金

もう一つの強みが、一定期間運用しても数値改善が見られない場合には、全額返金保証を設けていることです。これは、「まずは安心して試していただきたい」という思いから取り入れました。 

また、できるだけ多くの店舗様にご利用いただけるよう、月額3万円からご提供しています。

実際に、飲食店や美容業界などさまざまな業種で成果が出ており、
例えば、薬膳系飲食店ではオープン初月1,500名、2ヶ月目には3,600名が来店し、月商540万円を達成しました。ランチ営業のみのオムライス専門店は、オープン初月800名集客、ピラティススタジオでは、オープン2ヶ月で売上400万円などの成果が出ています。

WEB業界全体で見ると比較的利用しやすい価格帯だと思いますが、価格が理由で本来受けられるはずの支援を諦めてほしくないという考えがあったからです。

少しでも店舗様の負担を減らしながら、集客の仕組みづくりをお手伝いできればと思っています。

「正しい方向性」でやり続けることの価値

店舗様から一番よくお聞きするのが、「自分なりに頑張っているけれど、なかなか成果につながらない」というお悩みです。

SNSやMEOが大切だということは理解していて、実際に取り組まれている方も少なくありません。ただ、方向性が合っていないまま発信を続けてしまうと、時間や労力をかけているにもかかわらず、思うような結果につながらないこともあります。だからこそ、ただ投稿を増やすのではなく、「誰に・何を・どう伝えるか」という設計が大切です。

もう一つの課題が時間です。店舗様って毎日の営業でほぼ手が回らない。だからこそ、「自分でやる」以外にも、「外部の力を借りる」という選択肢があってもよいのかなと思います。もちろん、コストをかけることへの不安や慎重になるお気持ちはよくわかります。

一方で、必要な部分だけでも誰かに頼ることで、結果的に前に進みやすくなることもあります。そして、もしそうした選択をされる際には、私たちが真っ先に頭に思い浮かぶような、頼っていただける存在でありたいと思っています。

集客が理由で閉店するお店を、ゼロにしたい

良いお店が残ることで、町が変わる

弊社が目指しているのは、「集客が理由で閉店してしまうお店をゼロにすること」です。その原点には、生まれ育った豊後高田市で、少しずつシャッターの閉まったお店が増えていく様子を見てきた経験があります。

現在は福岡・九州を中心に支援を行っていますが、ゆくゆくは全国に広げていきたいです。

そして何より、良いお料理や良いサービス、素敵な想いを持ったお店がこれからも残り続けること。そうしたお店が選ばれ続けることで、お客様は価値ある体験ができ、地域に人が集まり、町が賑わい、新しい文化も生まれていく。私はこれからも、集客支援を通じて地域に恩返しをしていきたいと思っています。

ご縁と感謝を先に

仕事で大切にしていることを聞かれると、「ご縁と感謝」という言葉が浮かびます
売上を上げようという気持ちが先行してしまうと、うまくいかない。まずは相手の悩みに全力で向き合い、「どうすれば解決できるか」を考え、しっかり価値を提供して喜んでいただく。その積み重ねが信頼につながり、良いご縁につながっていくのだと思います。そして、そのご縁を当たり前と思わず、感謝し続ける。これからも、その姿勢だけは忘れずに仕事をしていきたいと思っています。

法人化したのは今年の 1 月で、現在は社員 1 名と業務委託のメンバーが約 14 名います。1店舗様に対して担当者を2名配置し、できるだけ丁寧に伴走できる体制を整えています。今後も支援する店舗様が増えるのに合わせて、チームも少しずつ大きくしていきたいと考えています。お店の力になりたい、人の喜びや売上アップを自分のことのように嬉しく感じられる、そんな方と一緒に成長していけたら嬉しいです。

20 代はアクセル全開で

自分が思っている以上のことはできる

過去の自分に言葉をかけるとしたら、「自分が思っている以上のことはできる」と伝えたいです。一歩踏み出した先には、想像もしなかったご縁やチャンスが待っています。でも、やりたいことがあるのに、「スキルもない、自信がない」「安定しているから、この仕事を続けよう」そんな理由で気持ちに蓋をしてしまっている人も少なくないと思います。

私自身、社会福祉の仕事はやりがいがありましたし、このまま定年まで働く未来も想像できました。でも、自分の人生として考えたときに、「本当にやりたいことは別にある」と感じていました。「いつかこうなったらいいな」という未来は、待っていても向こうから来ません。だからこそ、自分で掴みたいと思い、その未来を叶えるための行動を少しずつ始めました。

今振り返ると、ここまで来られたのは自分の力ではなく、応援してくださる方、仕事を紹介してくださる方、チャンスをくださる方。本当に多くの方とのご縁に支えられて今があります。

年齢に関係なく、一歩踏み出した人には、ご縁やチャンスが少しずつ巡ってくると思っています。ただ、20代には“若さ”という大きな武器があります。だからこそ、ぜひアクセル全開で挑戦してみてほしいなと思います。

応援されるのは「当たり前のことを丁寧に」

結局、ビジネスがうまくいくかどうかは、どれだけ応援していただけるかだと思っています。弊社がここまで来られたのも、自分一人の力ではなく、多くの方とのご縁や支えがあったからです。

だからこそ、謙虚でいること、明るく笑顔でいること、そして当たり前のことを丁寧にすることを大切にしています。お礼をきちんと伝えること、約束を守ること、相手への気遣いを忘れないこと。特別なことではありませんが、そうした小さな積み重ねが、信頼や応援につながるのだと思います。

編集後記

安東社長のお話を聞いて、「ビジネスの原点は課題への共感だ」ということを改めて感じました。地方のシャッター街を見て育った原体験が、福祉→メディア→店舗集客という一見バラバラに見えるキャリアを一本の軸でつないでいる。売上を上げようと焦るのではなく、まず相手の悩みに向き合うというスタンスが、多くの店舗支援実績や紹介につながっているのだと思います。私自身、学生として「やりたいことを押さえつけていないか」と問われた気がしました。株式会社 U-AND の挑戦を、これからも応援しています。