会社の数字から始まった独立
新卒で入社したのは、広島県福山市に本社を置くソフトウェア会社でした。広島事業所の責任者という立場だったので、独立事業部に近いような形で仕事をしていました。5年ほど在籍していたのですが、その間に会社全体の数字が徐々に悪化していきました。
会社全体の売上や利益がどうなっているかという話が自分のところにも回ってくる立場だったので、経営状況もわかるし、これはまずいなという感覚はありました。だからこそ、いよいよという段階になる前から準備はしていたんです。
選択肢は3つあった
経営の継続が難しくなったとき、選択肢は大きく3つありました。ひとつはお客様の会社にそのまま移ること、もうひとつは同じメーカー系列だった会社に人員ごと吸収してもらうこと、そしてもうひとつが独立です。
事務所や設備、それから退職金代わりになるものをいただけるのであれば独立したい、という話をして、それが独立のきっかけになりました。
独立がいちばんリスクの低い選択肢だった
「独立ってリスクが大きいのでは」とよく聞かれるのですが、私も含めて一緒に独立したメンバーの総意としては、独立がいちばんリスクの少ない選択肢だという考え方だったんですよね。
会社の経営というのは、自分たちの会社であれば自分たちでコントロールできます。でも、経営者が別にいる会社に所属するということは、経営のかじ取り自体を誰かに任せなければならない。それ自体がリスクだ、という判断でした。
地方で会社経営を見ていると実感するのですが、経営者って正直、そこまで特別な人間ではないんです。私も含めてですが。勢いとノリと、そのときの自分に合ったマーケットにたまたま乗れていたから、結果として生き残れている経営者がほとんどで、能力が優れているから経営者でいられるわけではない。地方都市でビジネスをしていると、そういう現実がよく見えます。だからこそ、自分でやったほうがリスクが低いという判断に至りました。
SESという取引形態、SIerというビジネスの立ち位置
今の事業を一言で言うなら、SI(システムインテグレーション)です。昨今のIT業界では、SESという取引形態とSIerというビジネス形態がセットで語られることが多いのですが、私たちの場合は取引の形態としてはSESでも、ビジネスとしての立ち位置はSIerだと考えています。開発およびサービス提供という形でビジネスを展開しています。
プログラムでお金がもらえるならこんなにいいことはない
開発の仕事を志したきっかけは、あまり自分でも意識したことがないのですが、ちょうど私が高校生、大学生の頃に「情報処理」という言葉が出てきた時期だったんですよね。当時ちらっと見て、プログラムをする仕事らしいと知りました。プログラムでお金がもらえるならこんなにいいことはないなと思い、プログラマーを目指し出したというイメージです。
苦労というほどの苦労はない
ここまで会社を経営してきて、大きく苦労したポイントはと聞かれると、正直特にありません。苦しい時期があったような気もしなくはないのですが、取り立てて言うほどのものではなく、普通に生きていればあるくらいのもので、あえて苦労と呼ぶほどではないというイメージです。
会社としても、決して景気がよかったわけではないので売上が細った時期もありましたが、それを苦労したかと言われると、したわけではないですね。
事業規模を大きくして、面白い仕事をしていく
もともとはそこまで会社の規模を大きくしようというつもりはなかったんです。ただ、面白そうな仕事をやろうと思うと、ある程度の規模が必要になってくる。だからこそ、新卒採用や中途採用を進めて、今後もう少し事業規模自体を大きくしていきたいというのが、今のビジョンです。
好きなことは、仕事にすべき
「好きなことは仕事にすべきじゃない」という言葉や考え方もあると思うのですが、私はやはり自分の経験から、やりたいと思うことや、やっていて楽しいと思うことを仕事にすべきだと思っています。
好きなことが今見つけられていること自体、なかなか幸せなことなんですよね。他の学生と話していると、まだ特にやりたいことが見つからないという人もいます。でも、もし自分にやりたいことがあるのであれば、せっかくならそれを仕事にしてしまったほうがいい。私としては、それを強くおすすめします。
弊社としても新卒採用は積極的に進めているので、興味を持ってくれた学生がいれば、ぜひエントリーしてもらえたらと思います。
編集後記
今回のインタビューでとくに印象に残ったのは、独立という選択を「リスクが高い」ではなく「いちばんリスクが低い」と捉える視点でした。経営を人に委ねることそのものがリスクだという考え方は、就職か独立かで悩む学生にとって新しい判断軸になるのではないかと感じます。好きなことを仕事にすべきというメッセージも、就活を控える身として素直に励まされました。三戸さん、貴重なお話をありがとうございました。