安定志向の工業高校生が、起業するまで
サッカー一色の高校時代
高校は工業高校の建築科でした。建築系の資格取得に取り組みながら、朝練をして学校へ行き、放課後は部活をして帰る、という毎日でした。ひたすらサッカーをやり込んでいた感じで、当時は独立とか起業とか、一切考えていなかったです。どちらかというと、「お店を開きたい」っていう気持ちがあるくらいで。
LIXIL入社、そしてブログとの出会い
卒業後は、建築科だと一般的にゼネコンへ就職するケースが多いんですが、私はサラリーマンのほうが自分に合っているかなと思って、メーカーを選びました。それが株式会社LIXILトータルサービスです。LIXILの製品(ユニットバス・キッチンなど)の施工管理やルート営業を4年間やっていました。
ブログを始めたきっかけは、先輩に連れて行かれたネットワークビジネス系のセミナーで、副業としてブログで収益化する方法を知ったことです。ちょうどブログが流行っていた時期で、YouTubeもまだそんなに普及していない時代でしたから、まずはブログから始めてみよう、という感覚でした。
ウェブ業界への転職と、独立への意識
ブログをやっていく中でSEOというものを知って、「面白いな」と思ったんですよね。それで、SEOを仕事にしたいと思い、ウェブ業界に転職しました。入社したのはウェブココル株式会社で、アフィリエイトメディアの運営やSEOコンサルを2年間やりました。
ウェブ業界だとフリーランスという働き方をしている人と関わる機会が多くて、独立が身近な選択肢になったんです。ハードルが下がったというか。それまでの会社では出世する気もなかったくらい安定志向だったのに、気づいたら「自力でチャレンジしたい」という気持ちが芽生えていました。
人生のスタンプラリー感覚で飛び込んだ語学留学
退職後は、フリーランスとしてSEOコンサルティングをやりながら、語学留学にも行きました。セブ(フィリピン)とシドニー(オーストラリア)です。
なぜ行ったかというと、私の中に「人生をスタンプラリー的に考えよう」という感覚があって。「海外行ったことある」というスタンプを押したかっただけなんですよね(笑)。正直、海外に住みたいとか特別興味があるとか、そういうわけじゃなかったんですが、一つスタンプを押すくらいの気持ちで行きました。
行って気づいたのは「日本、最強だな」ということ。日本愛が増えました。
CMOを経て、2024年8月に起業
留学から帰国後は株式会社マクサスのCMOに就任しました。もともとは1年契約だったんですが、半年で辞めることになって。ただ、そこで「100万円使ったら何がなんでも100万1円以上の利益を出さないといけない」というベンチャーならではの思考を叩き込まれて、それは本当に勉強になりました。
その後、もともと独立する予定でいたので、2024年8月に株式会社Mesut(メスト)を創業しました。「起業してダメだったら実家に帰ればいいか」くらいの楽観的な気持ちでしたね。入社当時には、まさか自分が社長になるとは一切思っていなかったです。
LLM時代のSEOで、正しいポジションを取りに行く
SEOの面白さはゲーム感覚にある
私がSEOを好きな理由はシンプルで、Googleというアルゴリズムをひたすらハックしているような感覚があるからです。アルゴリズムは公開されていないので、答えのないものに対してテストして検証して……というのが、ある種やりがいになっています。
「SEOはオワコン」と言われることもありますが、私はSEOが好きなので、この中で活路を見出していこうと思っています。長く続けていれば絶対うまくいくことはあるはずで、そういう意味でも好きなことをキャリアの軸にするのは大事だなと感じています。
商談化まで一緒に追いかける
弊社が大切にしていることは、全クライアントに対して、常に自分の目が届いている状態を維持することです。拡大よりも品質を優先して、お客さまに喜んでいただくことを一番に意識しています。
他のSEO業者だと「PVが増えました」「Googleアナリティクス(GA)でいい数字が出ています」で終わるケースが多いんですよね。でも私たちは、リードをたくさん取るだけじゃなくて、商談化につなげるにはどうすればいいか、というところまでサポートしています。SEOの枠にとらわれず、コンバージョン後の商談化や、PRや広告まで含めた包括的な支援を意識しています。
たとえば、 昨日もお客さまと山登りしてきました。飲み会だけじゃなくて、そういうウェットな関わり方が自分は好きなんですよね。お客さまが成果を出したときの幸福度って、自社サイトでCVが出るよりも高いくらいで、それが原動力にもなっています。
LLMO対策で業界に正しい答えを示す
今、SEOの世界で注目されているのがLLM(大規模言語モデル)を活用したAI検索対策です。まだ立ち上がって間もない市場なんですが、弊社はすでに実績があります。AIエンジニアと組んで、LLMや検索アルゴリズムの仕組みを分析し、再現性のあるロジックに基づいて支援できることが強みです。
課題を感じているのは、前例がない分野だからこそ、実績もないのに「AI検索対策できます」と営業している業者が乱立してしまっていること。お客さまからすると判断が難しいはずで、弊社がしっかりとポジションを取って、正しいLLM対策・AI検索対策を提供していきたいと思っています。
具体的には、お客さまが獲得したい主要キーワードに対して、SEOでの上位表示を目指しながら、AI検索やAIオーバービューでも引用される状態をつくり、その検索領域で広く露出を獲得する、いわば「面を取る」サービスを展開しています。まずは1つのキーワードに集中して成果を出し、その後、対象キーワードを広げていく、という考え方です。
ご契約いただいたお客さまが紹介してくださることが多いのも、この進め方と結果が結びついているからだと思います。現在は問い合わせよりも紹介でほぼ回っているような状態です。
素直さとやる気がある人と、一緒に働きたい
今後の採用について
現在は一人社長ですが、いい人がいれば採用したいと思っています。中途採用が中心になるかと思いますが、インターンも受け入れています。
一緒に働きたい人のイメージは、「素直でやる気がある人」です。素直さというのは、弊社のカラーに染まってもらいやすいという意味でも大切で、やる気と合わさると大きな力になります。
弊社は、決して楽な環境ではないと思います。でも、スキルアップしたいならそういう環境を選ぶのも一つの考え方だと私は思っていて。ベンチャーに入るなら、一定の負荷がある中で成長できる環境を選ぶことにも意味があると思っています。自分を追い込める環境かどうかを軸に会社選びをするのも、アリだと思います。
大手から中小まで、幅広いお客さまに関われる
事業の魅力としては、まず最前線のAI活用ができることがあります。弊社では自社ツールの開発も積極的に行っていて、AIを使った業務効率化も進めています。
また、弊社はベンチャーでありながら大手企業の支援もしているので、 大手から中小まで幅広いお客さまに関われます。LLM対策・AI検索対策に関しては、トップクラスのスキルセットがあると自負していますので、そこは大きな強みかなと。
私自身が経営者の方々と日常的に関わっているので、インターンであっても、そういった人たちと接点を持てるのは、面白い点だと思います。
編集後記
今回取材をさせていただいて、宇田社長の「スタンプラリー思考」という言葉が印象に残りました。語学留学やキャリアの選択を、「スタンプを押す」ように前向きに捉えている姿勢は、一見軽く聞こえるかもしれませんが、実はとても本質的な考え方だと感じます。好奇心ドリブンで動き続け、失敗しても「実家に帰ればいい」と笑える楽観性。それが安定志向だった青年を起業家へと変えたのだと思います。SEOの世界でLLM対策という新しい答えを作ろうとしている姿は、まさにGoogleのアルゴリズムをハックする感覚と重なって見えました。私も就活を前に、「何が好きか」を軸にキャリアを考えてみたいと思います。