人生迷子上級者の出発点
「自分はこれでいい」と思える納得感がほしかった
学生時代をひと言で表すなら、「人生迷子上級者」だったと思います。
迷っているくせに一生懸命何かやっている、という意味での上級者です。たどり着けてはいないけど、めちゃくちゃ迷いながら動いている——そういう時代でした。ひたすら「自分とは何か」「自分にしかできないことは何か」を考え続けていた学生でしたね。
そのベースになるエピソードが、高校進学のときにあります。出身は愛知県なんですが、愛知には「学区制」という制度があって、志望校を決められた学区の中から選ばなければいけないんです。でも私がどうしても行きたかった高校は、自分の学区内になかった。
当時の中学3年の担任の先生に相談したら、「住民票を移せばできますよ」と教えてくれたんです。そのやり方を知った瞬間、「あ、知らなかっただけじゃん」と思って。受験してみたら受かって、高校から一人暮らしをすることになりました。これが私にとっての最初の「上級者行動」だったかもしれません。
この経験から学んだのは、「できない」のではなく「やり方を知らないだけ」だということです。この解釈を変えることが、本当に大事だと今でも思っています。普通がいいとか、みんながいいというものではなく、「自分はこれでいい」と思える納得感を持てるかどうか——それが全てだと感じていました。
留学、中退、そして海外での仕事
大学を中退した理由
大学4年時に休学して留学に行くのですが、その前に転機がありました。十何年間打ち込んできたスポーツをやめたんです。それまでの自分の柱がなくなって、「自分って何だろう」という感覚になって。そこで海外にとりあえず行こうと決めました。
ただ、よく考えると、私が入っていた大学は「就活のための大学」だったのではないかと気づいたんです。本当に学びたいことで入ったわけじゃなかった。それがはっきりわかって、一度中退するという選択をしました。
物語の世界では、挫折や葛藤で立ち止まる「空白期間(ブランク)」が主人公の人生をドラマチックにする「最高の伏線」になると確信しています。
今自分ができることで笑顔を与える
留学先での話が、今の仕事にも大きくつながっています。当時の私にできたのは、デジカメ1台での撮影とパワーポイントの作成だけ。英語も全然話せなかった。
でも留学先で出会うメンバーは、沖縄の人、北海道の人、年齢もバラバラで、留学でしか出会えない存在なんです。その人たちの思いや気持ちを、いつでも取り戻せる形に残したくて、メモリアルムービーを作ったんですよ。自分のためじゃなく、周りの人の笑顔が見たくてやった。その動画がシェアされて、現地の会社から「うちで働かないか」というオファーをもらいました。
この体験で気づいたのは、「与えたからこそ得られる」ということです。得るために動いたわけじゃなくて、ただ笑顔が見たかった。デジカメとパワーポイントならできると思ったからやった。ただ思うだけではなく、今、できることを行動に移し続けたことから、結果につながったと思っています。
「ブランク」を武器に変える事業へ
起業を決めた言葉
当時、勤務していたブランディング会社の同期から「仲間がいれば絶対に成し遂げられる」と言ってもらって、起業を決心しました。一人だと不安だったし、やり方も見えなかった。でもその言葉と、寄り添って伴走してくれる存在がいたから、動けた。
人が何かを決断するとき、100% 覚悟するときは、必ず隣に人がいると思っています。これは絶対 AI にはできないことで、だからこそ今の事業に繋がっていきました。
履歴書に書けない物語に価値がある
今やっているのは、私自身がかつて「ブランクのフルスペック」だったという経験からきています。就職活動や転職の場面で、空白期間って「書かないでください」「一行で書いてください」と言われたり、隠さないといけないものにされがちです。でも私は、その人独自の物語にこそ、オリジナルの価値があると感じていて。
PROUDERS合同会社で運営している「My TOP(マイトップ)」というサービスは、そのブランクの期間をプロジェクト化して、自信を持てるように伴走するものです。プロジェクトには目的と期限がありますよね。ブランクってそれに似ていると思っていて、だから「プロジェクトとして捉えよう」という考え方をしています。
たとえば、サッカー一筋だった選手が引退して自己喪失に陥っていた方の場合、話を聞くと「サッカーで優勝したときに自分を誇りに思えた」という原体験がありました。そこから「誇りに思えるようなサッカートレーニングのカリキュラムを一緒に作ろう」と動いて、最終的に豊島区の女子サッカークラブでその取り組みを受託してもらうことになりました。
スキルは、新しく仕立て上げなくていいんです。その人がすでに持っているものを引き出して、実績・行動に移していく。プロジェクトマネジメントで「じゃあこれをやってみましょう」と一緒に進めていく、それが私たちの伴走のやり方です。
市場価値は社会が決め、存在価値は自分が決める
ここは私がすごく大切にしている考え方です。市場価値を決めるのは社会や会社かもしれないけれど、自分の存在価値——自分の「My TOP」を決めるのは、絶対に自分自身なんです。そこに向けてひたすら伴走していく、というのが私たちのスタンスです。
今やっていることは、「過去の自分を今の自分が救いに行っている感覚」に近いですね。同じ思いをしてほしくないという気持ちもありますし、壮大な人生迷子上級者であった人生の伏線回収だとも思っています。
My TOP が目指すコミュニティ
タレント事務所「My TOP」から事業部長として世界デビュー
My TOP をわかりやすく説明するなら、タレント事務所への所属に近いかもしれません。アイドルだって、デビューするまでダンスや歌のレッスンに通いますよね。それと同じように、My TOP というサービスに月額サブスクで所属しながら、自分のコンセプト(自分とは何か)をブランディングして、最終的に「事業部長としてデビュー」できるよう伴走していく仕組みです。キャンペーン価格 15,000 円/月なので、習い事の感覚で続けてもらえます。
インターンとして入った学生が、新卒入社した会社で 50 人ほどの新卒ピッチに参加し、京大生などの中で優勝したという事例もあります。自信を持てれば、人は本当に何でもできる——それを彼が体現してくれました。
【April Dream】
何者でもない元アスリートが、6ヶ月で事業責任者へ。「実績ゼロ」の僕が、新卒ビジネスピッチで「優勝」できた理由
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000158383.html
大学・企業との共創へ
今後は、企業の休職者や復職者に My TOP を活用してもらったり、大学のキャリアセンターに導入してもらったりというかたちに展開していきたいと思っています。自分とは何かを見極めるサードプレイスとして、My TOP というコミュニティを育てていきたい。My TOP に所属する人たちが交流したり、共創したりできる場にしていくイメージです。
「My TOP ○○」というブランドを、学生たちと一緒に作っていけたら面白いなとも思っています。My TOP イベントでも、My TOP チャンネルでも——形は有形でも無形でも構わない。うちで生きた証を残してほしいと思っています。
学生へのメッセージ
「できたことリスト」を書いてほしい
就活などで自己分析するとき、やりたいことリストを書く人が多いと思います。でも私が勧めるのは「できたことリスト」、つまり「Done リスト」です。これまで何をやってきたか、何ができたかを書き出してみてほしい。
就活で落ちるのは「会社都合」です。その会社のバランスや役職の状況で決まることが多い。でも受かるとき、選ばれるときは「パーソナルリーズン」——必ず自分自身の何かが理由にあります。だから落ちた時に自分を責めるのではなく、受かったとき・選ばれたときに「なぜ選ばれたか」をしっかり振り返ることが大切です。
すでに自分の中に価値はある。それを一緒に見つけて、動かしていく——
“This is My TOP.”「これが、私の人生の最高傑作だ。」
自らの手で価値を生み出したという確かな自信が、 あなただけの揺るぎない「存在意義」になっていく。あなたの『やりきった!』という笑顔が、いつか世界を照らす光になると信じて。私たちは、あなたと共に歩んでいきます。
編集後記
「市場価値を決めるのは社会だけど、存在価値を決めるのは自分自身」——この言葉が、インタビュー中で一番刺さりました。就活を意識し始めた今、「どの会社に行けるか」ばかりを考えてしまいがちだったので、視点をガラッと変えてもらった気がします。Piro さんが話してくださったエピソードで特に印象的だったのは、学区外の高校に進むために住民票を移したという話。「できないんじゃなくて、やり方を知らないだけ」という言葉は、学生の私たちにこそ一番必要な視点だと思いました。「できたことリスト(Done リスト)」を書く、という具体的なアクションも、今すぐ自分でも試してみたいと感じています。